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3ヵ年活動報告フォーラムの開催

第1分科会

「大学連携における教育プログラム・FDの共同活用・実施を考える」

主催/キャリア教育・FD委員会
ファシリテータ/巖 圭介 委員長(桃山学院大学 社会学部 准教授)
パネラー/中嶋 航一 氏(帝塚山大学 経済学部 教授)
パネラー/門 久義 氏(鹿児島大学 教育センター長)
パネラー/吉村 宗隆 氏(羽衣国際大学 産業社会学部 教授)

巖 圭介 委員長
巖 圭介 委員長

各大学の個性が特に色濃く出るのがキャリア教育やFDです。そのため、連携事業における取り組みとして扱う場合、非常に難しいテーマとなります。大学間でどのようにキャリア教育プログラムを開発していくのか、各大学が持っているプログラムを共用するための有用な手法とは何か。「大学連携における教育プログラム・FDの共同活用・実施を考える」というテーマのもと行われた本分科会では、キャリア教育やFDに共同で取り組んだ結果、どういった成果が上げられたかについての紹介が行われました。

教育コンテンツおよびFDの共同活用に向けて

中嶋 航一 氏
中嶋 航一 氏

日本の大学発で作ったeラーニングシステムとしては国内最大規模を誇るTIESは、日本の教育に危機感を持った先生方の先導のもと構築されました。学生にとって使いやすい教材とは何か、FDにもつながるeラーニングシステムとはどんなものか、ということを念頭に置いて作られたTIESには、今では3万点ものコンテンツが蓄積され、それらを所属大学間で共有し、自由に使用することが可能です。

「TIESのような大きなシステムの長所は、すべてのeポートフォリオが1か所に統合されることです」(中嶋氏)。教員や外部の講師、専門家の評価がダイレクトに各学生のe-ポートフォリオに入っていく仕組みになっています。もうひとつ、大きな特徴として動画系に強いシステムだということが挙げられます。「授業が自動的に収録され、TIESにUPされるため、学生が復習に使えるだけでなく、教員が自分の授業を振り返るためのツールとしても活用できます」(中嶋氏)。

グローカルな視点でのプログラム改革

門 久義 氏
門 久義 氏

平成18~20年度の特色GPは「鹿児島の中に世界を見る」というテーマでした。「『地域の特色に注目することが世界を見ることにつながる』との考えのもと、教養科目群の再構築を行いました」(門氏)。鹿児島には数多くの特産品や名所があることに着目し、それらについて講義やフィールドワークを通じて学べるよう、カリキュラムを開発していったのです。最終的には講義が10科目、体験シリーズが14科目、発展科目が13科目という構成になり、現在もこれらの科目群の発展・改良に取り組んでいます。

平成20~22年度の戦略的大学連携支援事業「鹿児島はひとつのキャンパス」では、県内の12の大学・短大・高専が連携し、県内各地の問題を取り上げました。直接に現地に出かけて、問題の掘り起こしや解決策の検討など、学生に地域の特色を深く認識してもらう授業を開発してきました。鹿児島県では若者の中央志向が強く、地元就職率が低いという問題を抱えており、その状況を改善する取っかかりとし、それぞれの大学・短大・高専の個性を伸ばしていくこともめざしています。「科目の特色上、地域の専門家などにも参加してもらう機会が多いため、教員のFDにもつながっています」(門氏)。

社会で生き抜くための“協働する力”を養うキャリア教育

吉村 宗隆 氏
吉村 宗隆 氏

前に踏み出す力、考え抜く力、チームで行動する力といった社会人基礎力は、講義やゼミだけで身に付けるには限界があります。羽衣国際大学では、キャリア教育の充実を図る際、より実践的なプログラムを取り入れるため、関空株式会社とホテル日航関西空港の協力を得て「関空合宿」という2泊3日のキャリア教育プログラムを構築しました。「本プログラムの概要は、参加大学の学生同士でランダムにチームを組み、関空活性化のための企画を立てるというものです」(吉村氏)。

約50時間の教育を3日で行えるという「教育の圧縮効果」の実現に加え、社会に出て働くことへの意識の向上、社会人基礎力のベースとなる「対人関係が築ける力の養成」が図れるなど、関空合宿は非常に大きな効果を上げました。「単位互換という形をとり、広島地区からの学生の参加も受けています。今年はそれをさらに拡大するため、全国のコンソーシアムに単位互換を要請しているという状況です」(吉村氏)。

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